知的資産等|名古屋の中小企業診断士

その他
知的資産
貸借対照表の左側には会社が所有する資産が載っていますが、そこに載っている資産がすべてではありません。
設備や金融商品などに対する投資は貸借対照表に計上されますが、従業員に対する投資(人材育成)は貸借対照表には計上されず、損益計算書に費用として計上されるからです。しかし、費用を掛けて育成された人材やその人材が持つノウハウ等は重要な資産です。また、長年の経営で培われてきた信用やブランドなども貸借対照表に載らないですが立派な資産です。
人材や信用、ブランド等は数字として貸借対照表には載りませんが、大事に育んでいきたい大切な資産ですね。
オープンブックマネジメント
私が関与した先で、自社の貸借対照表・損益計算書を従業員にオープンにしているところが1社だけありました。
利益がどれぐらいでたか? そして、その利益のうちの一定割合を賞与の原資とすること等を従業員に説明されていましたが、やましさがあったり債務超過だったりするとなかなかできないことなので、大変素晴らしい取組だと思います。
その関与先はフルオープンにされていましたが、たとえば、営業利益までオープンにするとか販管費のうち重要な科目以外はその他で丸めるとか幹部社員にまでオープンにするとか、限定的・段階的にオープンにする方法も考えられます。
ちなみにその関与先では、会社の状況をオープンにしたことで従業員さんのモラールがとても向上したそうです。
トレードオフ
たとえば飲食店。
高くついても美味しさを求める人に出す料理と美味しさより安さを重視する人に出す料理は、かけられるコスト(素材や手間暇など)が違ってくるので、内容も異なるものとなります。
もちろん安くて美味しい料理もありますが、基本的には美味しさと安さはトレードオフの関係にあるので、際限なく両方を追求することはとても困難です。
差別化を図って特徴を打ち出していくのか?スケールメリットを活かしてコストを抑えていくのか?あるいは絶妙なターゲット設定を行うのか?戦略は様々です。