キャッシュレス決済比率が低い日本ですが、その理由と今後の動向について考察してみたいと思います。
日本のキャッシュレス決済比率
日本のキャッシュレス比率は18.5%(2015年)で、この数字は先進国の中でも低い水準となってます。
キャッシュレス比率とは、家計の支出のうちカードや電子マネーで支払いを済ませた割合をいいます(正確には口座振替もキャッシュレスですが、この比率の中に口座振替での支払いは含まれていません)。
キャッシュレス決済が普及していない理由
日本では、現金払いを好む傾向があります。クレジットカードは後払いのため、何だか借金をしているような気分になる方も多いのではないでしょうか。
また、日本は治安が良く、お金を落としても戻ってくることあります(私も財布を二度落としたことがありますが、二度とも戻ってきました)。
海外に比べて盗難や偽札も少ないので現金を使うことに不安がなく、ATMやコンビニの数が多いので現金を引き出せなくて困る場面も少ないですね。
事業者側の理由
事業者側からみれば、次のような背景により普及していないと考えられます。
- カードを読み取る端末の設置など、初期費用がかかる
- 決済手数料や入金手数料がかかる
- キャッシュレス決済分が現金になるまでに時間がかかる
- 消費者にサインを求めるなど手間がかかる
主にコストとキャッシュフローの観点ですね。
消費者側の理由
消費者側からの理由には、次のようなものがあります。
- キャッシュレス決済ができる店が少ない
- キャッシュレスだと使いすぎてしまいそうだから
- お金のありがたみがなくなりそうだから
今後の動向
事業者がキャッシュレス決済を導入していない理由の多くは、コストの増大とキャッシュフローの悪化ですが、QRコード決済の中には、初期費用がかからないものや決済手数料が低いもの(当面の間は無料など)もあります。
また、リアルタイムで現金が手に入る現金払いにはかないませんが、翌日入金される(しかも条件によっては入金手数料もかからない)ものもあります。
今後、キャッシュレス決済ができるお店が増えていけば、消費者側のキャッシュレス決済への移行も進むのではないでしょうか。
日本は政策としてキャッシュレス決済の普及に取り組み、2025年に向けてキャッシュレス決済比率を40%にまで高め、将来的には80%を目指しています(今年の10月からは、キャッシュレス・消費者還元事業による5%ポイント還元も予定されていますね)。
キャッシュレス決済は間違いなく進展していくことでしょう。